【いえうる豆知識】不動産売却の仲介は複数社に依頼可能？

公開日 2023年9月18日

「複数の不動産会社に依頼した方が、よりよい条件で売却できるのでは…」そう考えたことはありませんか？不動産を売却する際、一社に決められない場合は複数社に依頼ができるのでしょうか。

今回は複数社への仲介依頼は可能か、その際の注意点などを解説していきます。

可否は媒介契約の種類で異なる！

媒介契約には、一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の3種類があります。詳しくは「【いえうる豆知識】「媒介契約」専属専任・専任・一般の違いは？」も併せてチェックしましょう。

複数社依頼は可能か…の答えは、媒介契約の種類によってことなるので注意しましょう。

一般媒介契約は可能

どうしても1社に絞れない…。その場合は、一般媒介契約なら複数社への依頼が可能です。媒介契約を結ぶ会社の数に制限がないため、数社でも10社以上でも可能です。

複数社と契約を結び、各社が競うような状況になれば、良い条件での売却が期待できますし、自分で買主を見つけることも認められています。依頼後に自分で買主を見つけた場合も、個人間で取引をしても問題がありません。

複数社に依頼しても媒介手数料がかかるのは1社のみ

複数社に依頼したら、その分手数料がかかるのでしょうか。

その点はご安心を。手数料は売買契約が成立したときのみ発生するため、一般媒介契約で複数の不動産会社と媒介契約を結んだ場合でも、媒介手数料は、実際に買主を見つけてくれた不動産会社にのみ支払うことになります。

専任（専属専任）媒介契約は複数依頼不可

専任（専属専任）媒介契約では、媒介契約は１社のみ。複数社への依頼や、専属専任媒介契約では、自分で買主を見つけることもＮＧとなります。

しかし、自社努力によって売買が成立すれば確実に収入に結びつくので、１社のみ契約を結ぶ専任（専属専任）媒介契約は、熱心な売却活動が期待できます。

複数社に依頼するメリットは？

複数社に依頼することは、条件によってはメリットが大きくなります。

不動産選びで失敗しない

1社しか契約できない専任（専属専任）媒介契約の場合は、もし悪質な不動産会社と契約してしまったら、契約期間中はキャンセルができず、失敗することも。その点、不動産会社選びで失敗しても一般媒介なら安心です。

一般媒介から専任媒介に切り替え可能

はじめから信頼できる不動産会社が見つかればよいですが、なかなか見抜けないものです。一般媒介契約は契約期間中であっても解約でき、売却活動や対応など様子を伺ってから専任（専属専任）媒介契約へ切えることも可能です。複数社と一般媒介契約を結んだ後に良い不動産会社と出会えた際は、他社へ解約を申し出れば、専任（専属専任）媒介契約を結ぶことができます。

複数社に仲介を依頼する注意点

一般媒介契約では複数会社と仲介契約が可能ですが、注意点もあります。メリット、デメリットを加味したうえで検討してみましょう。

売却活動が消極的に？

専任（専属専任）媒介契約では、販売活動が成就すれば、確実に自社の利益になりますが、一般媒介契約では、買い手側が他社の不動産会社に購入の商談を持ち込む可能性もあります。確実に自社を通す保証がなく、場合によっては損失になる可能性も。当然ながら積極的な売却活動は期待できません。

前途の通り、条件の良い物件ならメリットがあるかもしれませんが、複数社と契約を結ぶことは、デメリットも大きくなります。