【お悩み相談】不要な親の土地…どうするべき?
今回は「親が所有する田舎の土地をいずれ相続することになる」という50代Cさんのお悩みから、「負の財産」になりかねない親の土地を相続する際の注意点や処分方法を考えていきたいと思います。
Cさんは、「田舎の土地だから使い道がない」「資産価値がないどころか、無用な出費が発生しそう」という心配もあるそうで、「いえうる窓口」に来店いただきました。
手放す前に確認すべき4つのポイント
「親の土地を処分したい」とのことであれば、手放す前に、その土地が今どんな状況にあるのか、しっかりと調査しましょう。
売却はできる?
少しでも資産価値があるなら「売却」という方法が一番ありがたいですよね。まずは、相場や売却の状況をチェックしましょう。
もちろん「いえうる窓口」でもお気軽に相談ください!
将来的に活用方法がないか?
土地を維持して収入が見込めるなら、活用するのも検討の余地はあります。田舎でも観光地なら民宿に、またコインロッカーや広告の掲載、飲食店経営者の貸家、太陽光発電の設置場所…など、何か可能性はあるかもしれません。
自治体に寄付できる土地か?
売却が困難な場合、自治体に寄付をするという選択肢も。維持費がかかるものですので、ゼロ円でも引き取ってもらえたらありがたい話。必ず寄付ができるものではありませんが相談して可能性を探ってみましょう。
そもそも手放せる土地なのか確認を!
手放す前に、その土地は安易に手放せるものか、確認することが必須となります。
例えば国庫補助事業で取得した財産にあたる場合です。「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」の第22条で、「補助事業等により取得した財産は、承認を受けないで、譲渡してはならない」と規定があり、所有者の意思だけで処分できないため注意が必要です。
不要な土地を所有することのデメリット
不要な土地をずるずると所有してしまうとデメリットがあります。
税金がかかる
例え住んでいなくて空き家にしていても、所有していれば毎年「固定資産税」がかかります。
管理の手間がかかる
空地にしておけば、雑草が伸び荒れた土地になるだけでなく、不用品の廃棄場所になる可能性も。隣地や周辺の住民にご迷惑をかける可能性もあります。
損害賠償の可能性
空き家にしていて建物が倒壊した、土地の崩落で周辺に被害が発生した…など第三者に大けがを負わせた場合に、損害賠償ということになりかねません。
次の世代まで問題が続いていく
不要な不動産がそのまま所有していると、いずれ相続をすることになる配偶者や子供達、他の親族に迷惑をかけることになるかもしれません。子供達に負の財産を残さないためにも、早めに対処法を検討することをおすすめします。
では、実際に対処法を考えていきましょう。
【相続前】【相続後】でも対応が異なるため、両方をチェックしておくと良いですね。
【相続前】土地がいらない場合の対処法
相続の前なら「相続放棄」を選択するのもひとつの方法です。ただし、単純に親の土地だけを放棄する!と一筋縄ではいきません。
「相続放棄」は注意が必要
相続放棄とは、被相続人が残したすべての財産の相続を法定相続人が拒否すること。不要な土地などを含めた借金などのマイナスの財産に加えて、プラスの財産も相続できなくなります。
いらない土地だけを相続拒否する相続放棄はできません。
相続放棄には期限があるので要注意。民法で「相続の開始を知ったときから3カ月以内に家庭裁判所に申立てをしなければならない」と定められており、この期間を過ぎると相続放棄ができなくなります。
また相続放棄の要因となった土地が、負の要素が大きい場合は、順位の低い法定相続人に相続権が移行することとなります。自分一人の問題として完結せず、すべての法定相続人が相続放棄をした方がよいということになります。
さらに、すべての法定相続人が相続放棄をした場合も、負債の清算などの管理義務があります。「相続財産法人」が創設され、相続財産管理人(主に弁護士が就任)が、清算などの処分を行います。
相続放棄の大まかな流れ
- 相続放棄申述書に必要事項を記入し押印
- 管轄の家庭裁判所に必要書類を提出(郵便での受付も可能だが、一部不可としている裁判所もあり)
- 家庭裁判所より「照会書」が送付されてくる
- 「照会書」に必要事項を記載のうえ、家庭裁判所に郵便で返送
- 照会書を返送後、10日前後で「相続放棄申述受理通知書」が届く
「相続放棄申述受理通知書」を受け取ることで、相続放棄が認められたこととなります。
【相続後】土地がいならい場合の対処法
法に基づく形式で有効な遺言書があれば、法的拘束力についてチェックしましょう。
土地の名義に注意
難しいのは遺言書が存在しない場合です。法定相続人による遺産分割協議によって、相続財産を配分することになります。土地の売却後に現金を分配するのであれば、登記の名義を変更しますが、土地の名義を誰にするのかは重要です。
安易に「平等だから」と兄弟姉妹の共有名義にしてしまうと、売却の手続きの際に、全名義人の同意と、契約手続きの立ち合いが必要となります。登記は代表者一人の名義に変更し、売却手続きを進める方法が合理的。売却代金から売却手続きに要した費用を差し引いて、分配することで平等な相続が可能となります。
また登記の名義変更と平行して、土地の境界確定をすると、さらにスムーズに進みます。
「売却」して手放す
400万円以下でしか売却できない場合、手数料が稼げないことから、不動産会社が敬遠する傾向があります。また地方の不動産だと、購入希望者が現れない可能性があるため、隣地に購入を打診するといった方法も検討してもよいでしょう。
売却する土地が農地の場合は、各地の農業委員会が情報提供している「斡旋サービス」を利用する手も。新しい農地を探している農業従事者が見つかる可能性が高くなります。
仲介での売却が期待できない、なかなか売れない…こんなケースでは業者買取も検討を。業者買取なら依頼して1週間以内に現地調査をしたうえで、買取価格を提示してくれるなどスピーディーに対応してくれます。
「寄付」して手放す
前途しましたが、寄付という選択肢もあります。
自治体の他に、隣地所有者への個人への寄付、さらに活用の可能性からいけば、個人よりも法人の方が有力です。法人なら費用も経費扱いにできます。営利目的の企業よりも公益法人(社団法人や学校法人、NPO法人)などが有力となりそうです。
まとめ
今回相談に来られたCさんは「知識があれば冷静に進められる。状況を整理して再度来店します」と後日詳しく打ち合わせすることになりました。「いえうる窓口」では、様々な状況のお悩みを抱えた方が来店されていますので、気軽に足をお運びくださいね。どんな選択肢がベストか一緒に考えていきましょう。
単に「親の土地がいらないから手放したい」という場合も、ケースによって、土地の状態、環境に対応は異なります。まずは、スムーズに手放せる状況に進めるためにも、常に「良い状態の土地」をキープしておくこともポイントです。自分達で草むしりをしたり、定期的に業者に依頼して清潔な状態を維持することも大切です。
宮城県・仙台市での不動産売却のご相談は「いえうる窓口」へ相談を
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