【いえうる豆知識】共有名義の不動産を売却するには?

公開日 2023年5月29日

不動産の共有名義とは?

ある不動産を複数の人で所有することで、不動産の所有者が記載されている「登記簿」に、共有名義人全員の氏名と住所と、その共有持分も明記されています。

共有持分は、対象の不動産をそれぞれがどのくらい所有するかを示し、「3分の1」などと記載されています。

共有名義になるのは3パターン

マイホーム購入時に夫婦共有にする

住宅ローンを組む際、夫だけでは希望の希望の借入限度額に届かないときに、収入のある妻と夫婦が共同で住宅ローンを組むことがあります。その年収割合に応じて、不動産の共有持分も分割します。

二世帯住宅購入時に親子共有にする

親と子、それぞれが購入資金を出したり、親子が共同名義で住宅ローンを組む、親子リレーローンを組むといった場合は、不動産の持分についても親子で共有持分を持つことになります。

複数人で相続する場合

まずは、不動産を複数人で相続するケースです。例えば、子どもがいる家庭であれば配偶者と子が法定相続人に、子も親もいない家庭であれば配偶者と兄弟姉妹が相続することになります。

共有持分権者が単独でできること、同意が必要なこと

【単独でできる】保存と使用

不動産の建物を維持したり、不法占拠者を追い出したり、不動産の現状を維持する「保存」、不動産に居住するなどの「使用」です。

【過半数の同意が必要】利用と改良

「共有持分の過半数」で可能なのが、不動産を短期的に貸すなどの「利用」、不動産をリフォーム・リノベーションする「改良」です。

【全員の同意が必要】処分

不動産を売却する他、抵当権を設定したり、借地借家法の適用がある賃貸借契約を締結したりする「処分」です。

このように、売却には「共有持分権者」全員の同意が必要なので注意が必要です。

共有名義の不動産を売却する3つのケース

名義人全員の承諾が必要と、前途しましたが、もし承諾を得られなくとも、不動産を売却できる方法も検討できます。共有名義の不動産を売却する3つの方法を考えていきましょう。

不動産全体を売却する

他の共有名義人全員の承諾を得ることができれば、問題なく売却ができます

自己の持分のみ売却する

不動産の共有持分権者が持つ「共有持分」だけ売却することも可能で、他の共有持分権者の承諾を得ておく必要はありません。しかし、不動産の持分の一部だけでは活用が難しく、共有持分だけ売却するのは非常に困難です。

どうしても…という場合は共有持分の買取専門会社を利用することとなりますが、
一般的な相場よりかなり安くなることを念頭においておきましょう。

土地を分筆して売却

自分の共有持分割合に応じて、土地を分筆して売却する方法です。分筆後の土地は自分の単独所有となります。但し、「建物を建てるには幅4m以上の道路に2m以上接道している必要がある」といった法律があるなど注意点も多いので、注意が必要です。

いずれのケースでも、共有持分権者でよく話し合い、後々トラブルに発展しないようにすることが大切ですね。

共有名義の不動産「全体」を売却する手順

では、最後に一番スムーズといわれる「共有持分を持つ不動産」全体を売却する手順を確認していきたいと思います。

  1. 「共有持分権者の全員の承諾」…長く連絡を取っていないなど、相続が発生しているケースでは軟化することもありますので要注意!)
  2. 「委任状の作成」…委任状を作成して署名と実印押印、印鑑証明書の提出を依頼する
  3. 「売却活動」…通常の売却活動と変わりないですが、売り出し価格や値下げの際なども共有持分権者に確認、相談をしましょう。
  4. 「契約・引き渡し」…委任状があれば共有持分権者の代表となる方が立ち会えば問題ありません。
  5. 「利益と経費の分配」…不動産を売却して得られた利益と、不動産を売却するのにかかった経費(仲介手数料や登記費用など)を相続人全員で配分して、売却は無事終了となります。

まとめ

共有持分を持つ不動産の売却は、トラブルが起こりがちです。他の共有持分権者の委任を受け代表者が進めるのが一般的ですが、値下げの際に承諾を得るのも一苦労。共有持分権者の中から「もっと高い金額で売りたい」などという意見が出て揉めることもあります。

時間と手間が掛かりますが、後々のトラブル回避のためにも、しっかりと相談、確認、報告をしましょう。

「いえうる窓口」では、これまでにも様々なケースの売却をサポートしております。「こんな相談しても大丈夫?」と心配な案件でも、ぜひ気軽にご相談ください。

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