【お悩み相談】住宅ローンと相続の関係

公開日 2023年5月15日

先日、窓口に来店されたH様から、こんな相談を受けました。

「住宅ローンの残っている土地・建物を相続することになりそうです。将来的に売却予定なのですが、何から手続きをしたらよいのか分からなくて…」とのこと。たまたまイオンでのお買物の際に「いえうる窓口」を見つけて、お立ち寄りいただいたようです。

今回は、相続物件に住宅ローンが残っている場合の確認事項などを解説してみたいと思います。

住宅ローン残債がある場合に確認すべきこと

相続する不動産に、まだ住宅ローンの残債がある場合、どうしたらよいのか、ローンをすべて請け負うことになるのか、不安に感じると思います。

住宅ローンについては、万が一の時を保障する「団体信用生命保険」などもあります。まずはローンを契約している金融機関に、加入の有無を確認してみましょう。

「団体信用生命保険」とは

住宅ローンを契約した人が死亡、または高度障害を負ったなど、万一のことがあった場合、残りの住宅ローンを保険会社が全額弁済してくれる生命保険のこと。所定の手続きを行うことで、住宅ローンを全額返済することができます。

多くの金融機関で、住宅ローンを組む際に「団体信用生命保険」の加入を契約条件に加えていて、住宅ローンを契約する人の95%が加入しているといわれています。しかし、団体信用生命保険は生命保険ですので、健康状態に不安があるなどの理由で加入できないケースがあります。

金融機関に加入有無の確認を!

相続する物件に住宅ローン残債がある場合は、まず契約している金融機関に団体信用生命保険加入の有無、加入している場合はその契約内容を確認しましょう。

団体信用生命保険に加入している場合

住宅ローンの契約者が団体信用生命保険に加入していれば、所定の手続きを行うことで相続人は住宅ローンの返済義務がなくなります。

住宅ローンの契約者が死亡した場合、または高度障害を負った場合は、その住宅ローンを契約している金融機関に必要な書類を提出し、金融機関が団体信用生命保険の保険会社へ問い合わせをして、支払い可否の審査へと進みます。

書類提出→審査→支払いの可否の回答まで、約1カ月かかるとされています。その間の住宅ローンは、被相続人に支払いの義務があります。この支払いをどうするか、相続人で話し合っておくことも必要です。

審査が通って保険金の支払いが確定したら、相続人は抵当権の効力が失われたことを法務局に登録する、抹消登記の手続きを行います。

※抵当権=住宅ローンを借りる際に、万が一支払いが滞った場合に、銀行がその家を売ってローンの回収を行う権利のこと。ローン完済と同時にその効力が無くなるものですが、抹消登記を行わないと、将来的に「家を売却できない」「新たに相続した時に手続きが複雑になる」「法定相続人同士で、家の所有権をめぐってトラブルが起きる可能性がある」など、デメリットも。抹消登記の手続きは素人では難しく、司法書士に依頼するのが無難です。

団体信用生命保険に未加入の場合は?

悩ましいのは未加入の場合です。住宅ローンはそのまま相続の対象になり、相続人は、法定相続分に従って住宅ローンの返済も負担することになります。ただし、住宅ローンの返済口は複数に分けることができないので、抵当権を変更して、債務者が1人になるよう手続きが必要です。

抵当権を変更する際の選択肢は2つの方法があります。

  • 相続人の一人が債務を継承する形で抵当権を変更する
  • 相続人全員が一度債務者となった後に他の相続人の債務を引き受ける形で抵当権を変更する

住宅ローンを相続しても返済が難しいという場合は、相続放棄をするか、住宅ローンを残したまま売却して、売却代金でローンを返済する「任意売却」をすることも可能です。

住宅ローンを完済できるなら相続するべき?

団体信用生命保険などでそのローンが完済されていれば、住宅ローンのない家を相続することができます。しかし、住宅ローンが無くても、メリットばかりではなく、デメリットもあることを知っておきましょう。

相続するメリット・活用法

  • 家賃やローンのない住居が手に入る
  • 物件を担保に融資を受けることができる
  • 賃貸物件にして利益を得る
  • 更地にして駐車場として活用し利益を得る
  • 売却して現金に換える

相続するデメリット

  • 物件の価値だけ相続税の支払いが発生する
  • 維持費が発生する
  • 相続後に売却することで、譲渡所得税が発生する可能性がある

メリットとデメリットを確認したうえで、もし相続しない場合は相続が発生してから3カ月以内に相続放棄相続の手続きを行う必要があります。

相続人が複数いる場合は、誰か一人が相続放棄することで、他の相続人の負担が大きくなるため、相続放棄する際は、他の相続人とよく相談することも大切です。

些細な不安も「いえうる窓口」で相談を

住宅ローンのある家などを相続する場合に真っ先に考えることは「ローンを完済すること」です。

今回相談いただいたHさんも、後日契約している金融機関へ相談ところ、「団体信用生命保険に加入していた」と確認ができ一安心したようです。今後親族と話し合いをして売却をする予定とのことでした。

不動産売却は、様々なケースが発生します。こんな相談をしても大丈夫かな?と思うことも、経験豊富なスタッフがご対応させていただきますので、ぜひ「いえうる窓口」へ気軽にご来店ください。

宮城県・仙台市での不動産売却のご相談は「いえうる窓口」へ相談を

もっと詳しく相談したい方は、ぜひ「いえうる窓口」へ。 「いえうる窓口」は、宮城県・仙台市など宮城県内全域で売却を検討している方向けの無料相談窓口です。宮城県内イオンモール2店舗(新利府南館店、富谷店)でご相談頂けます。お気軽にお問合せください。