【いえうる豆知識】競売物件とは?任意売却との違いも解説!

公開日 2024年10月28日

住宅ローンの返済ができなくなった時、最後の選択肢として競売という法的手段があります。また、競売になる前に任意売却という方法を取れる場合もあります。

今回は、不動産の競売と任意売却について解説します。

競売とは

競売とは、販売目的で出品された物を、最も良い購入条件を提示した買い手(入札希望者)に売却するために、買い手が提示できる購入条件を競わせることです。

不動産の場合、住宅ローンを利用している人が契約通りに返済ができなくなった時に、金融機関(債権者)があらかじめ担保としていた不動産を強制的に売却することで借入金(債務)を回収します。この債権回収の手続きを競売といいます。

住宅ローンを利用する時は一般的に、債務者が住宅ローンを払えなくなっても債権を回収できるよう、債権者が「不動産を担保にする権利」(抵当権)を設定しています。住宅ローンの支払いが滞ることが続くと、抵当権に基づいて債権者である金融機関によって裁判所へ競売の申し立てが行われ、競売が開始されます。競売は、法的手段で強制的に売却するものですから、債務者・所有者の意向は反映されません。

競売の流れ

住宅ローンの支払いを一定期間滞納すると、債務者は分割返済する権利を失い、債権者でから一括返済を求められます。ここで返済できなければ債権者が競売手続きを行います。
ローンに保証会社の保証がある場合は、保証会社が債務者に代わって銀行に返済します。ここで銀行に対する支払いは無くなりますが、債権が保証会社に移行するので、保証会社への支払いが発生します。

債権者(金融機関や保証会社)は競売申立てをすると、裁判所から「不動産競売開始決定通知」が届きます。

その後、「現況調査のための連絡所」が届き、競売の対象となる不動産について現況調査が行われます。現況調査は、裁判所の執行官と不動産鑑定士が訪れ、物件の内外の調査や写真撮影を行います。執行官には強制力がありますので、現況調査を拒否することはできません。現況調査から1~2カ月で競売不動産の「評価書」が作成されます。

競売開始決定後、3~6カ月後に「期間入札の通知」が届きます。そして、官報やインターネットサイトに競売物件の情報が一般公開されます。

入札期間に落札者が決まり、落札者から代金が納付されると、物件の所有者が落札者に移転されます。所有権が移転するタイミングで、物件を明け渡すことになります。

競売は物件売却後の残債は一括払いを要求されます。売却後も残債の支払いが困難な場合には、自己破産などの債務整理を行う必要があります。

任意売却とは

任意売却とは、住宅ローンの返済が難しくなった時、金融機関などの債権者や利害関係者全員の合意を得て、一般市場で不動産を売却する方法です。一般的な不動産の売却と同様に、不動産会社によって一般市場で売却活動をするので、相場価格での売却が期待できます。

任意売却の場合、不動産売却後の残債に関して、金融機関との交渉次第では分割払いに対応してもらえるケースもあるようです。

競売から任意売却に切り替えられるのは、競売の入札期日の2日前までとなっているため、任意売却を行う場合は迅速に売却を進めなければなりません。

競売のメリット・デメリット

競売は債権を回収するために強制的に売却される仕組みですのでマイナスな印象がありますが、見方によってはメリットもあるようです。メリットとデメリットを紹介します。

競売のメリット

競売は、債権者の意向を反映せずに裁判所によって進められます。ですから、売却に関わる手間がかかりません。任意売却ですと、債権者や不動産会社と協議・相談して進めていくことになりますが、競売はそのような作業がありません。
また、一般的な売却や任意売却では必要となる仲介手数料や契約書の印税、抵当権抹消費用もかかりません。ただし、競売申し立ての際にかかった費用(申立印紙、登録免許税、評価書作成費用など)は物件の売却代金から差し引かれます。

競売のデメリット

競売の最大のデメリットは、売却価格が低くなることです。一般市場の相場と比較して6~8割低くなると言われています。
また、競売になるとその物件の競売情報が裁判所やインターネット上で公表されるため、その家が競売にかけられていることを他者に知られてしまいます。
そして、競売は裁判所が強制力を持って進めるものですから、引っ越し費用や退去の日程など相談に応じてもらうことができません。売却が決まったら決められた期日までに必ず明け渡さなければなりません。

あえて競売にするケースも

競売はデメリットが大きいため、なるべく避けたい方法ですが、あえて任意売却はせずに競売を選択するケースもあります。

それは、不動産の利害関係が複雑で売却ができない場合です。

例えば、土地の所有者が債務者で、建物の所有者は別の人だと、一般市場では土地だけを売却するのは難しいでしょう。このような場合に、一定の要件を満たすと担保権の対象ではない建物も一緒に売却できます。

まとめ

競売と任意売却では、売却価格や残債の返済方法などに大きな違いがあります。
任意売却は手間がかかり、手続きにもスピードが要求されますが、競売よりもメリットが大きいので、出来る限り任意売却できるよう進めるとよいでしょう。
住宅ローンの支払いが難しくなってきたら、滞納して競売になる前に、ローンを利用している金融機関や売却を依頼できる不動産会社に相談しましょう。

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