【いえうる豆知識】瑕疵のある家は売却できる?
自宅に雨漏りやシロアリ被害といった、いわゆる「瑕疵のある家」は、売却できるのでしょうか?
いざ、売却しようと思ったら被害や不具合が見つかることもあり、意外と他人ごとではありません。
今回は「瑕疵のある家」は売ることができるのか、スムーズに売却できるかポイントや注意点を考えてみたいと思います。
もし瑕疵を隠して売却したら?
「瑕疵があることを知っていたのに、隠して売る」という方はいらっしゃらないと思いますが、当然瑕疵がある家は相場より安ります。そのため大した瑕疵ではない場合は告知したくないで高く売りたい…と過ってしまう方もいるかもしれませんね。
しかし、売却後に発覚した場合は大きなトラブルに発展しますので心得ておきましょう。
シロアリ被害は必ずわかる!
シロアリ被害はわかりにくいと思っていませんか?実はシロアリの活動期には家の内外を飛翔しますし、駆除をしていたとしても、被害のあった壁や柱の位置を叩くと空洞音がします。土台が侵食されていれば床がたわむため、被害は必ずわかると考えておきましょう。
雨漏り被害もすぐ発覚する
応急処置をして売却したとしても、雨漏り被害のある家は天井や壁に雨染みの跡が残っているので簡単に発覚します。柱や梁が雨漏りによって腐食していることもあるので、買主はすぐに気づくはずです。
売却から1年間、買主は追完請求できる
以前は、建物の隠れた不具合を「瑕疵」と称していましたが、2020年4月1日施行の改正民法で「契約不適合」と定義されました。また、「瑕疵担保責任」と呼んでいた瑕疵が発見された際の売主の責任は「買主の追完請求権」に変わりました。
これにより告知されていなかった事実を知った場合、買主は契約不適合として契約に適合させるよう求めるなどの請求ができます。
民法では「買主がその不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しないときは、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない(第566条)」とされています。
つまり買主は、1年以内であれば瑕疵(契約不適合)について追完請求ができます。
雨漏りやシロアリ被害の瑕疵を告げないまま売却すると、損害賠償や契約の解除を求められる可能性が極めて高いため、瑕疵は必ず告知して売却しましょう。
瑕疵がある家を売る場合にやるべきこと
瑕疵がある家を告知せずに売却すると損害賠償を求められるなど、大きなリスクがあります。やるべきことを抑えて進めれば、安心して売却することができます。
不動産会社に包み隠ず伝える
事実を隠したまま売却をした場合、売主だけでなく、仲介した不動産会社も責任を問われ、最悪の場合行政処分を受けるなど、大きな迷惑をかけてしまいます。
しっかり瑕疵がある事実を伝え、適正価格で売却を進めてもらいましょう。
インスペクションを実施する
おすすめは、「ホームインスペクション」を行うことです。
※【いえうる豆知識】ホームインスペクションって何?も参考にしてくださいね。
瑕疵被害がある家は、該当部分だけえはなく、主要構造部に被害がある場合もあります。素人の売主や不動産会社だけでは発見出来ない不具合を建築の専門家に調査してもらうことで、安心して売却することができます。インスペクションを依頼する会社についても不動産会社があっせんしてくれるケースがあるので相談をしてみましょう。
重要事項説明書にも記載する
インスペクションをした場合は実施会社が「建物状況調査の結果の概要(重要事項説明用)」を作成してくれますので、重要事項で告知し、提示しましょう。
また雨漏りやシロアリ被害が過去にあり、該当部分を修繕している場合も、口頭で伝えると共に重要事項説明書に記載しておきましょう。
既存住宅売買瑕疵担保保険に加入しよう
インスペクションを実施して、基準をクリアした家は「既存住宅売買瑕疵担保保険」に加入できます。損害賠償請求があった際は、この保険で対応が可能です。
瑕疵がある物件は、そのままでは基準をクリアすることができませんが、修繕によって基準をクリアすれば保険を利用できるので相談をしてみましょう。
瑕疵がある家を売却する方法は?
雨漏りやシロアリ被害など、瑕疵がある家は売却できないわけではありません。対策を考えて、正しく売却を進めれば安心です。
修繕やリフォームする
被害によって構造材にダメージを受けている場合は、修繕やリフォームをしてから売却する方法もあります。
しかし、リフォームに資金を費やしても、売却価格がアップするとは限りません。300万をかけても、売却額は100万程度しかアップしなかった…ということもあります。瑕疵のある家の売却は、構造材の不具合箇所に重点を置き、リフォーム費用をおさえることがポイントです。
事実を伝え現状のまま売却
建物の被害を知らせて、売却価格を下げて売却する方法もあります。そもそも、自分達の思い通りに大規模リフォームをしようと考えて、お安い物件を探している方がいれば、瑕疵があっても価格面に惹かれて売れるケースもあります。
またリフォーム費用を売主負担として、相場通りに売却するのも一つの手です。
土地だけで売却する
被害が大きく、売却の見込みが立たない場合は、建物を解体してしまい土地だけ売る方法も考えてみましょう。
この場合、固定資産税に注意が必要です。固定資産税は、家付きの土地に対しては、税の優遇措置を適用しているため、その年の1月1日の時点で更地だった場合は、この優遇措置が適用されません。そのため、最高で税額が6倍になり、仮住まいを借りる場合は家賃もプラスされ多くの費用がかかることを覚えておきましょう。
買取専門の不動産会社へ売る
買取専用の不動産会社なら、瑕疵被害がある家も、現状のまま買い取ってくれます。買い取った家を修繕・リフォームして売ることで利益を得るプロですので、売却契約後もすぐ現金が振り込まれ、一番スムーズかもしれませんね。
「訳アリ物件」もいえうる窓口に相談を
「売りたい家に瑕疵が見つかった」。そんな時は慌ててしまうかもしれませんが、適切な方法、手順を踏むことで売却が可能です。
いえうる窓口では、お客様一人一人の悩みに沿った相談が可能です。ぜひイオンでのお買物ついでに気軽にお立ち寄りください。
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