【いえうる豆知識】親子間で不動産売買はできる?

公開日 2023年8月7日

親の実家を子に譲る…など、不動産の所有権を親子間で移す方法は、「生前贈与」や「相続」を思い浮かべるのと思います。「親子間での不動産売買」と聞くと、違和感があるかもしれませんが、実は可能であり、法律的にも一般の取引と同じ方法で売買できるため、状況によって選択する場合もあります。

「親子間での不動産売買」と、他の所有権を移転する場合のメリットとデメリットと比較しながら、注意点などもご紹介いたします。

他の所有権移転と比較するメリット・デメリット

生前贈与や相続の大まかなメリット・デメリットは次の通りです。

生前贈与の場合

  • 【メリット】いつでも実施できる
  • 【デメリット】名義変更にかかる流通税(登録免許税等)と贈与税が他の方法と比べて高額になる

相続の場合

  • 【メリット】親から子供へ名義変更をする「登録免許税」等の費用が一番安い
  • 【デメリット】親が亡くなってからではないと名義変更ができない

親子間不動産売買のメリットとデメリット

親子や親せきの間で不動産売買を実施することは、メリットもデメリットも生じますのでチェックしておきましょう。

親子間不動産売買のメリット

親子間(親族間)の不動産売買には次のようなメリットがあります。

  • いつでも実施できる
  • 連帯保証人や名義を変更できる
  • 親が存命の間に財産分与ができ、親族間トラブルが避けられる
  • ローン支払いが完了していれば購入金額の分割払いが可能

親子間不動産売買のデメリット

一方でいくつかデメリットもあるので要注意です。

  • みなし贈与とされる可能性もある(みなし贈与分に贈与税がかかる)
  • 相続よりも費用がかかり、各種控除が適用されないことも(譲渡所得からの3000万円特別控除も対象外)
  • 買主側に購入できる資金がないと実行できない
  • 住宅ローンの審査が厳しくなる
  • 親子間売買を取り扱う不動産会社が少ない

親子間不動産売買の注意点

では、親子間での不動産売買を進める際の注意点を確認していきましょう

売買価格の設定に注意!

市場価格とかけ離れた安い価額を設定すると「みなし贈与」と判断され、市場価格と取引価格の差額に対して贈与税が課税されることもあるので要注意。下記のようなケースは「みなし贈与」とされる可能性があります。

  • 親子間だからと格安で不動産を売買
  • 不動産を引渡す代わりに借金を相殺(もしくは肩代わり)
  • 購入代金と所有権登記の持分の割合に大差がある

みなし贈与と判定されないよう、国税庁の路線価や市町村の固定資産税評価額を確認して売買価格を決める、または不動産会社に査定を依頼する方法や不動産鑑定士に依頼すればより安心です。

親子間で同意のうえで「売買契約」を締結する

たとえ親子間であっても、後に税務署の疑いがかからないように売買契約を締結し、売買契約書を作成しましょう。

親が子に勝手に売買を進めるのではなく、他の法定相続人に意図を説明してお互い同意のもとで契約することが重要です。例えば「認知症の親を騙して契約したのでは」といった疑念からトラブルになることがあります。親が認知症になってしまうと、判断能力がないとされ不動産の売買はできないことがあることも覚えておきましょう。

契約書は正式な一般取引と同レベルのものを作成することが大切です。行政書士や司法書士などの専門家に依頼すればより信ぴょう性が高まります。

契約締結後、名義変更は速やかに行う!

税務署に対して、真の取引であったことを証明する証拠にもなるため、売買契約締結後は、不動産の名義変更をすぐに行いましょう。

そのためにも現状の不動産の名義人が誰であるかを契約締結前にしっかり確認することが必要です。不動産に関する情報を集め、所有者を確定するために登記簿謄本、戸籍謄本や住民票などの書類を取得して、名義に関する情報を集めておきましょう。

課税されることを想定する

親子間の不動産売買でも課税される可能性があるので、想定しておきましょう。

不動産を購入した時よりも、高値で売却して利益が発生した時には、売主側に利益に対して「譲渡所得税」がかかります。復興特別所得税、住民税も付随します。

買主側には不動産取得税がかかります。税額は固定資産税評価額の4%です。

親子間不動産売買の住宅ローンの審査は厳しい?!

税金逃れのための売買を疑われたり、保証会社の信用を得にくい…といった理由から一般的な住宅の購入より親子間の不動産取引は「住宅ローンの審査」が厳しくなります。

買主(子)自身が住むのではなく、しばらくは親が住み続ける場合は、自己居住を目的とした住宅ローンの融資条件から逸脱するため、融資は受けられません。

住宅ローンの融資を受けず手持ちの現金で購入する方法もありますが、現金が用意できる人は少数。相続時精算課税制度などを活用すると相続税がおさえられることも。「生前贈与」や「一般的な相続」とよく比較検討しましょう。

親子間不動産売買について、いえうる窓口でも相談ができるので、ぜひお気軽にお立ち寄りください。

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